2016.01.08

夜中のいつもの帰り道。道路沿いのゴミ置場からガサガサと音が聞こえる。ゴミ袋の山の中で人の背中が街灯に浮かんでいる。ゴミを漁っているようだ。よく見るとその漁る人のちょうど後ろに黒い野良犬もいる。黒い野良犬がワンと吠える。漁る人はビクッと驚き振り返る。黒い野良犬は慌てた様子でゴミの一つをくわえて逃げる。漁る人は「うるさいなあ」と言いながら目の前のゴミ袋を開ける。すると中からフライドポテトが大量に吹き出る。ちょうど一人の青年がゴミを出しに来たところだった。そして青年はフライドポテトまみれになる。茫然とした様子の青年に漁る人は「幸せだろ? 」と言う。 青年はゴミと、それから百円玉を手渡す。漁る人はそれを受け取るとおつりと領収書を渡す。漁る人は路上で暮らしながらゴミの受付と分別の管理を請負っている。領収書の控えと受け取った小銭を黒い革の財布にしまう。小銭入れのボタンをパチンととめる。その音と親指の感触で、この黒い革の財布は僕が13歳の頃からずっと使っていたもので、ここで漁る人は自分自身だということに気付く。そして目が覚める。昨日見た夢。