ART iT リー・キット インタビューから

…僕は今ではもう民主主義の存在を信じていないんだ。そもそも現実世界において機能するとは到底思えない。だから、ものすごく怒りを覚えてしまう。だってそうでしょう? 僕をはじめ、香港の人たちはまさに「民主主義」のために今まで戦ってきたのだから。ただね、「時すでに遅し」だとしても、僕たちには民主主義以外の選択肢は残されていないということも事実で。こういう具合に、時々かなり悲観的になっている自分がいるんだ。そういうときは思わず「誰かを殺すべきだろうか?」って自分に問いかけてしまう。まぁ、できないことはないだろうけど、それが何かの解決になるとも思えない。要するに、悲観的であるということは、同時に楽観性を余儀なくされるということなんだ。そうでなければ、例え他者を殺さなくても、僕は自分自身の存在を抹消しようとするだろうね。このように、偶然にも芸術と政治とのあいだである種の結びつきが生まれる。僕は何か新しいことに取り組むことはできるけど、それを実行する前に誰かに他言することはできない。だから最終的には「自分に何かできるか」、もしくは「自分は何をすべきか」といった課題に直面してしまうんだ。…