パトリシア・ボズワーズ「炎のごとく-写真家ダイアン・アーバス」から

「わたしはダイアンに奇形者をロマンチックに見てはいけないと言った。いわゆる『健常者』と同様、奇形者の中にもつまらない人間とごく当たり前の人間がいる。わたしは髭女のオルガに興味をひかれたのは、彼女が速記者になることを夢見ていて窓辺にはゼラニウムの鉢を置いていることだったし、以前インタビューしたことのある四百五十ポンドのレスラーにしても、生まれ故郷のウクライナを恋しがっておいおい泣いていたことに惹かれたのだという話をした」
(パトリシア・ボズワーズ「炎のごとく-写真家ダイアン・アーバス」から)