行ったことの無いギャラリーをたくさん回ってみようという思いで立ち寄ったGalleryKai・楢木逸郎作品展「NOMADS/EXILES」。先日たまたま深瀬昌久さんの「鴉」を観ていたこともあってか、写ってる人が”社会の枠組みから外れた人”だというのは真っ先に分かった。けど見れば見る程、例えば歴史の教科書なんかに載ってる海外の貴族のように見えたりと、その威厳に満ち溢れた佇まいの数々を前に、本当にそういう人々なのか一瞬疑ってしまった。それは安易な軽蔑を続けていた自分に気付くことでもあって、本当に情けなくもなった…
少なくとも僕自身には色んな欲求があって、周りにはその全部を満たさんと様々な誘惑が用意されていて、ほとんどのそれはお金と引き換えに手に入るようになってる。ただそれらは全部、シンプルに「生きていく」上で必ず必要かというと、極論を言えば全部いらないもののように思えたりもする。そんな中でここに写ってる人達は多分、生きていく上で最低限必要な”なにか”だけしか持ってないように感じ、それは野生動物と等価的な存在とも言える、というような内容の長谷川明さんの言葉を思い出した。無駄が削ぎ落とされた「生きているモノ」としての純粋さが、僕の感じた威厳だったのかもしれない。
置かれた状況が自ら選んでのことか、選ばざるを得なかったのかは分からないけど、僕が知る限り世間はこうした人達を煙たい目で見ているのは間違い無いし実際僕もそうだ。そんな全てがまた本当に悍ましくも思う。